中国に着いてGeminiを開いたら、エラーが出て先に進めない…
ログインの画面から動かなくなった、という方も多いと思います。
これ、スマホの故障でもGoogleアカウントの不具合でもありません。
原因は中国側のネット検閲と、Google側の地域制限の2つですので、現地でいくら設定をいじっても直らないんですね。
解決策はVPNで日本などのサーバーにつなぐことですが、VPNの準備は日本にいるうちに済ませておかないと間に合いません。
そもそもGeminiは、旅先や出張先でこそ使いどころの多いツールですよね!
Gmailと連携してメールの返信の下書きを作ったり、長いスレッドの要点をまとめたりできます!
ほかにも、Googleドライブに置いた契約書のチェックや会議の議事録づくりまで任せられます!
翻訳や画像生成もできますので、現地で日本語以外の資料が出てきても落ち着いて対応できます!
普段これだけ使っているものが現地で丸ごと止まると困りますので、VPNを準備してでも使える状態にしておきたいところです。
SUZUKA中国でのVPN利用には注意点もありますので、後半のリスクのところまで目を通してもらえたらと思います
この記事では、中国でGeminiが使えない理由と、VPNを使った解決方法について紹介しています!
2026年に変わった香港の最新事情や、出発前にやっておく準備、中国でVPNを使うときの注意点・リスクまでまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!
中国でGeminiが使えないのはなぜ?主な原因
中国でGeminiが使えない原因は、次の2つです!
- 中国政府のネット検閲でブロックされている
- Googleが中国を対応地域に入れていない
原因が中国側とGoogle側の2階建てになっています。
片方だけの話なら「回線を変えれば直る」で終わるのですが、この2つが重なっていますので、ホテルのWi-Fiに乗り換えてもスマホを再起動しても状況は変わりません。
裏を返せば、端末やアカウントが壊れているわけではないんですね!



わたしも最初は自分のGoogleアカウントがおかしくなったのかと焦りましたが、原因が分かってしまえばあとは対処するだけですので、ひとまず落ち着いて大丈夫ですよ♪
ちなみに中国で使えなくなるのはGeminiだけではありません。
YouTubeやLINE、Gmail、Google、X、インスタなども同じように遮断されます。
中国政府による検閲(グレートファイアウォール)
中国では、政府が国全体のインターネットに検閲システムをかけています。
通称は「グレートファイアウォール」、中国語では防火長城、日本では金盾という呼び方もされているもの。
やっていることは大きく4つです!
グレートファイアウォールの4つの仕組み
| IPアドレスブロッキング | 遮断したいサービスのサーバーそのものへの通信を弾く |
|---|---|
| DNSブロッキング (DNSポイズニング) | サイトの名前をIPアドレスに変換する電話帳のような仕組みに、わざと間違った番号を返させる |
| キーワード・URLフィルタリング | 通信に含まれる特定の単語やURLを見つけて止める |
| ディープパケットインスペクション (DPI) | 通信の中身を解析して「これはVPNの通信だな」と見分ける |
この4つめのDPIが、あとで出てくる「VPNが急につながらなくなる」話に直結してきます。
そしてGeminiの場合、遮断されているのはGeminiだけではないところがポイントです!
Googleは2010年に中国本土の市場から撤退していて、それ以降はGoogleのサービスがまるごと遮断された状態が続いています。
つまりGeminiは、あとから名指しでブロックされたというより、もともと閉じていたGoogleの領域の中にあとから生まれたサービスという感じですね。
ちなみにChatGPTのほうは、公開されて話題になったあとに、グレートファイアウォールで個別にブロックされています。
中国当局は、このシステムの存在を公式に認めたことが一度もありません。
公式には存在しないことになっているシステムに、こちらのGeminiが止められているという状態。
だからサポートに聞いても「その地域では使えません」以上の答えは出てきませんし、設定を見直しても直りません。



わたしなら、原因探しはさっさと切り上げて、VPNの準備に回りますね!
Google(Gemini)自体が中国を対応地域に含めていない(地域制限)
中国でGeminiが使えない理由は、検閲だけではありません。
Googleが公開しているGeminiの対応国・地域のリストでは、中国本土は「Workspaceのみ」という扱いで、個人向けには開放されていないんですね。
Geminiのウェブアプリは、70以上の言語、230以上の国・地域で使えます。
これだけ広くカバーしているのに、中国本土はそこから外れているという状態です。
これは2026年10月時点の情報です。
ひとくちにGeminiと言っても、用意されている形は3つに分かれています!
- 個人向けのウェブ版・スマホアプリ
- 企業向けのGoogle Workspace
- 開発者向けのAPI・Google AI Studio
この3つは、対応している国・地域のリストがそれぞれ別に管理されています。
だから「Geminiが使える国」といっても、どの形で使うかによって答えが変わってくるんですね。
中国本土については、個人向けのウェブ版・アプリと開発者向けのAPI・AI Studioがどちらも対象外で、使えるのは企業向けのGoogle Workspaceだけです(2026年10月時点)。
ですので、この記事で扱うのは1つめの個人向けウェブ版・アプリの話になります。
開発者向けのAPIまで含めると、VPNをつなげば全部まとめて解決、という話にはならないんですね…
そして地域の判定に使われているのが、どこからつないでいるかを示すIPアドレスです!
中国の回線をそのまま使っているかぎり、Gemini側からは対応していない地域からのアクセスに見えます。
だから対応している国のIPアドレスでつなぐようにする必要があって、それをやってくれるのがVPNというわけです。



対応国・地域のリストはGoogleの方針で変わりますので、出発前にGemini公式ヘルプで最新の状態を確かめておきましょう
香港・マカオでは使える?2026年の最新事情
じゃあ香港なら使えるのでは?
ここが2026年に大きく変わったところです!
2026年3月16日、Googleは香港の個人アカウントを持っている人全員に対して、Geminiのウェブ版を開放すると発表しました!
それまでの香港では、個人向けの無料版Geminiが用意されていませんでした。
使えていたのは法人向けの有料Google Workspaceを契約している企業ユーザーだけで、それ以外の個人はVPNを使うか、ほかのAIサービスで代用するしかなかったんですね。
この開放で、普通のGoogleアカウントさえあればVPNなしでGeminiのウェブ版を開けるようになりました!
Caixin GlobalやHong Kong Free Pressといった香港のニュースサイトのほか、日本語でもYahoo!ニュースや香港経済新聞が同じ時期に報じています。
Google香港のゼネラルマネージャーであるMichael Yue氏のコメントもプレスリリースで出ていますので、どこかの推測ではなくGoogle自身の発表ですね!
マカオも同じ時期に同じように使えるようになったと、中国語のメディアが伝えています。
ただ、ここからが大事なところです。
この開放は段階的なもので、まずウェブ版が先に開放され、2026年3月26日にはAndroid・iOSのスマホアプリも香港の全ユーザーへ順次広げると発表されました。
- 個人向けのウェブ版
- VPNなしでの利用
- API・AI Studioは対象外
- アプリは3月26日から順次提供
それと、開発者向けのGemini APIとGoogle AI Studioは、ウェブ版が開放されたあとも香港を対応地域に含めていません(2026年10月時点)。
対応リージョンの扱いはGoogle AI for Developersの対応リージョン一覧で公開されています。
同じ「香港でGeminiを使う」でも、開発で使うつもりなら、ブラウザで質問するのとは別のルートが要るということですね。
もう1つ、開放されたあとに「この国・地域では対応していません」というエラーが再び出てVPNが必要な状態に戻った、という香港ユーザーからの報告も出ています。



そのときは後日復旧したと報じられましたが、地域の判定が揺れることはあるという実例ですね…
ここまでの話は、すべて2026年8月時点の状況です。
香港・マカオへ行くなら、開放されたとはいえVPNは用意しておいて、いざというときの保険にしておくのがおすすめ!
そして中国本土のほうは、こうした部分開放の動きが確認できていません。
行き先が本土なら、香港の話は当てはまらないと考えておきましょう。
つまり香港は以前よりずっとラクになったのですが、本土ならVPNの準備は必須ということですね!
香港でのAIサービスの使い方については、ChatGPTを香港で使う方法でもくわしく解説していますので、あわせて読んでみてください。
中国でGeminiを使う方法はVPNで海外サーバーに接続すること
中国でGeminiを使うなら、VPNで日本などのサーバーにつなぐのが基本です!
VPNとは、通信を暗号化して別の国のサーバーを経由させる仕組みのこと!
日本のサーバーを経由すれば、ネットの向こう側からは日本からアクセスしているように見えます!
この状態でGeminiを開けば、いつもの画面が出てくるというわけです!
やることは、アプリを開いて日本のサーバーをタップするだけ!



作業としては3〜5分もあれば終わりますので、身構えなくて大丈夫ですよ
ただし中国は、ほかの国とくらべてVPNの規制がかなり厳しめです。
つないでも100%必ず使えると保証できるものではありませんので、そのあたりは後半の注意点のところで正直にお伝えしますね。
VPNで「使える国」のIPアドレスを経由する仕組み
VPNが効くのは、ネットのサービスが「どこの国からのアクセスか」をIPアドレスで判断しているからです!
IPアドレスは、プロバイダが端末に割り当てているネット上の住所のようなもの。
中国の回線をそのまま使うと中国のIPアドレスになりますので、Gemini側からは対応していない地域からのアクセスに見えます。
VPNをつなぐと、ここが日本のIPアドレスに置き換わるんですね!
しかもVPNは、端末とVPNサーバーのあいだの通信をまるごと暗号化します。
暗号化されたトンネルの中を通っていきますので、途中でどのサイトを見ているかというURLやキーワードも読み取れません。
グレートファイアウォールのキーワード・URLフィルタリングやDNSブロッキングは、この中身を見て遮断する仕組みです。
だからトンネルの中に入ってしまえば、そこは通り抜けられるという理屈になります!
ただ、さっき出てきたDPIだけは話がちがいます。
中身は読めなくても、通信の形やクセを見て「これはVPNだ」と見分けにくるからですね。
そこで用意されているのが、VPN通信を普通のHTTPS通信に見せかける難読化サーバーという機能です!
これは中国のように検閲が厳しい国のために用意されているもので、あとで手順のところで実際の設定を紹介します!



仕組みが分かっていると、つながらないときに何をいじればいいかも見当がつきますよ♪
【最重要】VPNは中国に着く前にインストール・契約を済ませておく
VPNの準備は、日本を出る前に終わらせておきましょう!
中国に着いてからでは、VPNアプリのダウンロードそのものができないからです。
理由は2つあります。
- 中国のApp StoreからVPNアプリが削除されている
- 中国国内ではGoogle Playストアが使えない
iPhoneの場合、中国政府に言われてAppleが中国向けApp StoreのVPNアプリを削除しています。
日本など中国以外の地域のApp Storeでは普通に並んでいますので、これは中国だけの話ですね。
Androidのほうはもっとシンプルで、Google Playストア自体がグレートファイアウォールの遮断対象。
Googleのサービスがまるごと使えませんので、アプリを探す入口すらないんです…
ここ、Geminiを使いたい方には特に厳しいところです。
GeminiのアプリもGoogleのアプリですので、現地で「とりあえずアプリだけ入れておこう」ができないんですね。
アプリが入れられない以上、現地で契約から始めるのは現実的ではありません…
そこで、出国前にこの4つを済ませておきましょう!
- VPNを契約する
- 使う端末すべてにアプリを入れる
- アプリにログインしておく
- 実際に接続テストをしておく
特に3番と4番を忘れる方が多いです。
アプリを入れただけでログインしていないと、現地でログイン画面に飛ばされたときに認証メールが受け取れず、そこで詰んでしまうんです…
わたしも一度、旅行前にアプリを入れただけで安心してしまい、空港でログインしようとしてバタバタしたことがありました。
そのときは搭乗前に気づいたのでどうにかなりましたが、機内で気づいていたら本当にアウトでしたね…
スマホとパソコンの両方を持っていくなら、両方に入れてログインまでやっておきましょう!



ここまで日本で済ませておけば、現地では接続ボタンを押すだけですよ
VPNで日本のサーバーにつなげば、中国からでもいつも通りGeminiを使えます!
- 無料!
- 3〜5分でOK
- 現地でもすぐにできる
中国にいるとグレートファイアウォールの影響でGeminiは使えなくなっていると思いますが、VPNを使って日本のサーバーと接続すれば、中国にいてもGeminiを使えるようになります!
この状態で「Gemini」を開けば、いつも通り使えるようになるというわけです!
おすすめは「NordVPN」です。
- 30日間の返金保証つき
- 日本のサーバーは東京・大阪の2拠点
- 通信速度の速さに定評がある
- 10台までシェアOK
- Geminiを使える
詳しくはNordVPNの口コミ・評判を参考にしてみてください。
登録方法の詳しい手順はNordVPNの登録方法を、料金プランの詳細はNordVPNの料金を、それぞれ参考にしてみてください。
NordVPNは30日間の返金保証があります。
旅行であれば30日以上滞在することはないと思いますので、帰国してから返金を受ければ料金を無料にできます!
中国でVPNを使ってGeminiに接続する手順(NordVPNの場合)
ここからは、実際にVPNでGeminiにつなぐまでの流れを紹介していきますね!
今回はNordVPNを例に説明します!
中国で使うVPNは、難読化サーバーを持っているかどうかで使い勝手がかなり変わりますので、そこを基準に選んでいます!
NordVPNをおすすめする理由
中国に行くならNordVPNがおすすめです!
理由は、検閲の厳しい国向けの難読化サーバーが用意されているから!
難読化サーバーは、VPNの通信を普通のHTTPS通信に見せかけて、VPNだと見分けられにくくするためのサーバーです。
NordVPNはこれを中国・UAE・ロシア・イランのような検閲の厳しい国向けの機能として公式に案内しています。
ざっくり比べるとこんな感じですね!
中国で使うVPNの比較(2026年8月時点)
| 項目 | NordVPN | 無料VPN | ほかの有料VPN |
|---|---|---|---|
| 検閲対策 | 難読化サーバーあり | ほぼなし | サービスによる |
| 通信の安定性 | 安定している | 不安定 | サービスによる |
| 同時接続台数 | 10台 | 制限あり | サービスによる |
| 日本語対応 | 公式サイト・アプリが日本語 | ほぼなし | サービスによる |
| 返金保証 | 30日間 | なし | サービスによる |
同時接続は全プラン共通で10台までですので、スマホとパソコン、タブレットを持っていっても1契約で足ります!
家族で行くなら、1人が契約してシェアするのもアリですね!
それに30日間の返金保証がありますので、1週間程度の旅行なら、帰国後に返金を申し込むという使い方もできます!



個人的には、いきなり長期契約するより、まずは返金保証のあいだに試してみるのがおすすめですw
料金プランは3つあって契約期間も選べるのですが、価格はキャンペーンで変わりますので、最新の金額はNordVPN料金の記事で確かめてみてください。
使い勝手や実際の評判が気になる場合は、NordVPNの口コミ・評判にまとめていますので、あわせてどうぞ♪
接続までの具体的な手順(スマホ・PCでの操作)
ここが本題です!
中国でGeminiにつなぐまでの手順は、次のとおり!
- 日本にいるうちにNordVPNを契約する
- アプリを入れてログインする
- プロトコルをOpenVPN(TCP)に変える
- 特殊サーバーから難読化サーバーを選ぶ
- 日本または香港のサーバーに接続する
- 接続できたらGeminiを開く
アプリの画面では、4番は「Specialty servers(特殊サーバー)」から「Obfuscated Servers(難読化サーバー)」という並びになっています。
ポイントは3番です!
難読化サーバーはOpenVPNでしか使えませんので、先にプロトコルを切り替えないとメニューに出てきません。
NordVPNには「NordLynx」という高速プロトコルがあるのですが、こちらは難読化サーバーと併用できないんですね。
普段NordLynxで使っている場合ほど、ここでつまずきやすいところ。
5番のサーバー選びも、地味に効いてきます!
アメリカのサーバーを選びたくなるかもしれませんが、まずは日本か香港から試すのがおすすめ!
ただGeminiを使うなら、日本のサーバーから試してみましょう!
香港も速度は出るのですが、香港では開放後に「この国・地域では対応していません」のエラーが再び出たことがありますので、日本のIPアドレスのほうが落ち着いて使えます!



そして1〜4番は、必ず日本にいるうちに終わらせておきましょう!
特に4番の難読化サーバーへの接続テストまでやっておくと、現地で慌てずに済みます!
登録の画面を1つずつ見ながら進めたい場合は、NordVPNの登録方法でくわしく解説していますので、そちらを見ながらどうぞ。
ここまで準備しておけば、現地でやることはアプリを開いて接続ボタンを押すだけです!
VPN接続がうまくいかない・急に使えなくなった時の対処法
昨日まで使えていたVPNが、今日は急につながらない…
中国では、これが普通に起こります。
理由は、時期によって規制の強さが変わるからですね。
つながらないときは、上から順に試してみましょう!
- プロトコルをOpenVPN(TCP)にする
- 難読化サーバーに切り替える
- 別のサーバーを選び直す
(日本と香港を行き来する) - アプリを再起動してつなぎ直す
- ホテルの有線Wi-Fiや国際ローミングにする
1番と2番が最優先です!
普段NordLynxで使っている場合、これを切り替えるだけで戻ることがけっこうあります!
3番のサーバー変更も効きます!
同じ日本のサーバーでも、遮断されているものとされていないものが混ざっている状態になりますので、1つダメでも別のサーバーで通ることがあるんですね。
それともう1つ、Geminiならではの引っかかり方もあります。
VPNはつながっているのに、Geminiの画面だけが「この国・地域では対応していません」と表示されるパターンです。
香港でも、開放されたあとに同じエラーが再表示されたという報告が出ていました。
この場合はVPNの接続自体を疑うより、いったんVPNを日本のサーバーにつなぎ直してから、ブラウザのキャッシュを消してGeminiを開き直すのが早いです!
それでも変わらなければ、少し時間を置いてから試すのがおすすめ。



わたしとしては、どうにもならない日は無理にVPNで粘らないほうがいいと思います…
大事な仕事の連絡だけはこっちで済ませる、という使い分けをしておけば、規制が強まる時期に当たっても慌てずに済みますよ!
中国でのVPN利用に関する注意点・リスク



ここからは、あまり書かれない話も正直にお伝えしますね
中国でのVPN利用は、日本や欧米の感覚とは事情がちがいます。
押さえておきたいのは次の3つです。
- 無許可のVPN利用は処罰の対象になり得る
- 立場によってリスクの重さがちがう
- 無料VPNは中国でこそ使ってはいけない



順番に見ていきましょう
VPN利用は中国の法律上どう扱われているか
中国では、無許可のVPN利用が行政処罰の対象になり得ます。
根拠になっているのは、1996年に定められて1997年に改正された「計算機情報網路国際聯網管理暫定規定」という行政規則です。
無許可のVPN利用に関する規定(2026年8月時点)
| 第六条 | 国際的な通信をするときは国が用意した公用の回線を使わなければならず、個人や団体が勝手に別の回線を作ったり使ったりすることを禁じている |
|---|---|
| 第十四条 | ・公安機関が接続の停止を命じることができる ・警告を出したうえで15,000元以下の罰金を科すことができる ・違法な収入があった場合は没収される |
15,000元は、2026年8月時点のレートで換算すると約355,500円ですね。
この条文は、中国の国家インターネット情報弁公室(CAC)の公式サイトに載っているものです(2026年10月時点)。
「使ったら即逮捕」という話ではありません。
条文上は行政処罰、つまり警告や罰金が中心という決まりになっています。
ただ、だからといって「使ってOK」ということでもありません。
実際に処罰された例も出ています。
2026年8月時点で報道が確認できた摘発事例
| 時期 | 対象・行為 | 処分 |
|---|---|---|
| 2023年3月 | 広東省。利用者が10,000人を超えるVPNサービスを無許可で商売にしていた業者 | 罰金500,000元(約10,000,000円)と懲役3年の判決 |
| 2023年8月 | 上海。企業向けにVPNを構築して提供していた技術者 | 逮捕 |
| 2024年2月 | VPNを使って政府批判の記事を海外に発信した個人 | 罰金10,000元(約200,000円)と行政拘留15日 |
| 2026年3月 | 湖北省鄂州市。「Clash」というソフトでTikTokとXを見ていた男性 | 罰金200元(約4,740円) |
| 2026年3月 | 湖北省孝感市。VPNで海外サイトを見ていた人物(十数名の警察官が家宅捜索) | 罰金500元(約11,850円)と警告、接続停止の命令 |
孝感市のほうは、見ていただけで十数名の警察官が家にやってきています。
さすがに対応が重すぎるということで、中国のSNSでも批判が出ました。



罰金の額そのものは数千円ですが、海外サイトを見ていただけで自宅に警察が来るというのは、なかなか重たい話ですよね…
重い処分が出ているのは「VPNを売っていた」「VPNを使って政治的な発信をしていた」ケースに集中しているんですね。
ちなみに、反スパイ法とVPNをセットで語る情報を見かけることがありますが、これは別の法律の話です。
反スパイ法は2023年7月に改正法がスタートしてスパイ行為の定義が広がりましたが、反スパイ法の条文にはVPNの利用を取り締まる決まりはなく、問題になるのはそこでやり取りする情報の中身のほうです。
Geminiで旅先の調べものをすることと、国家機密を持ち出すこととを同じ枠で語るのは、さすがに乱暴ですね。
とはいえ、中国が日本や欧米より規制の厳しい国であるのは事実です。
VPNの合法性の一般論はVPNで海外サーバーにつなぐのは違法?でくわしく書いていますが、中国はそこで扱っている一般的な国よりも規制がかなり厳しいので、あの記事の結論をそのまま中国に当てはめないよう気をつけてくださいね。
旅行者・短期滞在者と、駐在員・現地居住者とではリスクの度合いが異なる
同じVPN利用でも、立場によってリスクの重さは変わります。
整理するとこんな感じですね。
立場別に見た、2026年8月時点で確認できた処分の状況
| VPN事業者・大規模な運用者 | 懲役・高額の罰金という重い刑事罰が実際に出ている |
|---|---|
| 政治的な発信をした個人 | 罰金や行政拘留の処分が出ている |
| 中国に住んでいる個人 | 見ていただけで罰金・警告の事例が出ている |
| 外国人の旅行者・短期滞在者 | 観光目的の利用で処罰された事例は確認できなかった |
ここで誤解してほしくないのは、一番下の行の意味です。
「観光目的の利用で処罰された事例は確認できなかった」というのは、2026年8月時点でWeb上を調べたかぎり見つからなかった、というだけの話。
事例が見つからないことと、安全が保証されていることは、まったく別ですね。
条文上は立場に関係なく処罰の対象になり得る決まりのままです。
そのうえで、実際に確認できている摘発事例はいずれも中国本土に住む個人か事業者でした。
一方の駐在員や留学生は、滞在が長い分だけずっと使うことになりますので、旅行者より規制が強まったときの影響を受けやすいですね。
ただ、2026年3月の湖北省のケースもありますので、長く住むなら、今のところ大丈夫でも来年も同じとは限らない、と思っておいたほうがいいですね。
旅行者だから対象外、ということではないんです…
長期滞在なら、会社の方針も確かめたうえで使いましょう。
旅行なら旅行で、処罰の対象になり得る前提は同じだと思っておくのが安全です。



自分がどちらの立場なのかをはっきりさせておけば、必要以上に怖がることも、油断しすぎることもなくなりますよ
無料VPNは避けるべき理由



中国で無料VPNを使うのは、正直おすすめしませんね…
理由は2つあります。
- 個人情報を集めて売る・広告に使うものがある
- マルウェアが仕込まれているケースがある
お金を払っているサービスは、利用料が収入源です。
一方で無料のサービスは、どこかで収益を上げないと運営できません。
その「どこか」が使う人のデータになっている、というわけですね。
中国に行くときだけは、無料VPNという選択肢は外して考えるのがおすすめ。
1ヶ月分の料金をケチって個人情報を差し出すよりは、実績のある有料VPNにしておくほうがずっと気がラクですよ!
GeminiとChatGPT、中国で使うならどっちがいい?
中国本土にいるかぎり、GeminiもChatGPTも同じくVPNが必要です。
どっちが中国からつなぎやすいかは、正直はっきりしません。
「VPN経由でChatGPTはダメだったけどGeminiは通った」という体験談もあれば、その逆の体験談もあって、きれいに割れているんですね。
ですので、どちらか片方に絞るより、両方使える状態にしておくほうが現実的かなと思います!
ただ、この2つには知っておきたい違いもあります。
1つめは、遮断されてきた経緯です。
ChatGPTは、話題になったあとにグレートファイアウォールが個別にブロックしました。
一方のGeminiは、2010年のGoogleの中国撤退以降ずっと閉じているGoogleの領域の中にある、という状態。
Geminiだけを狙って新しく塞がれたわけではないんですね。
2つめは、香港での扱いです。
ここは2026年時点でまったく逆の状況になっています。
香港での扱い(2026年8月時点)
| Gemini | 2026年3月に個人向けウェブ版がVPNなしで開放された (API・AI Studioは対象外のまま) |
|---|---|
| ChatGPT | 香港はChatGPTの公式の対応地域に入っていない(2026年10月時点) |
香港経由で入るなら、Geminiを主役にしておくと乗り継ぎ時間の調べものがラクになりますね!
逆に本土だけの旅なら、この差は関係ありません。



わたしなら、GeminiとChatGPTの両方をすぐ開ける状態にしてから出発しますね!
中国でChatGPTが使えないときの詳しい話は、中国でChatGPTが使えない理由にまとめています。
よくある質問
最後に、よく聞かれる質問に答えておきますね!
香港版Geminiと日本版Geminiは何が違う?
中身が別物のAIというわけではありません。
地域による違いは、「その地域で使えるかどうか」の話です。
Geminiのウェブアプリは70以上の言語に対応していますので、言語設定を変えれば日本語でもそのまま使えます!
「香港版」という言い方をされるのは、香港のGoogleアカウント・香港のIPアドレスで使っている状態を指しているだけですね!
ただ、まったく同じかというと、細かい差はあります。
言語によっては、音声まわりなど一部の機能が使えません。
これは地域の差というより、言語設定による差ですね!



香港のアカウントに切り替えないと本来の性能が出ない、といった心配はしなくて大丈夫ですよ
香港版のGeminiアプリ・アカウントを持ったまま中国本土に来たら、VPN無しで使える?
香港で使っていたアプリやアカウントのままでも、中国本土ではVPNが必要になります。
Geminiが使えるかどうかは、どこからつないでいるかを示すIPアドレスで判定されるからですね。
アプリを入れたときの地域設定や、Googleアカウントの登録地域だけでは、中国本土からの制限は外れません。
Samsung GalaxyのようにGeminiが最初から標準のアシスタントとして入っている端末でも、扱いは同じですね。
持っている端末は変えていないのに、接続する国が変わったとたんに使えたり使えなくなったりした、という報告も出ています。
AIアシスタントもGeminiではなく中国製のものを使う仕様ですので、ここでの話は香港などで買った端末を持ち込むケースになります。
どちらにしても、香港版を使い慣れていても中国本土の回線につながっている限り、同じ制限を受けます。
香港版だから大丈夫と思って何も準備せずに来ると、現地で開けなくて困ってしまいますので…



出発前にVPNの契約とインストール、ログインまで終わらせておきましょう!
会社出張や駐在(長期滞在)の場合も注意点は同じ?
やることは同じですが、気をつける度合いは長期滞在のほうが上です。
出国前にVPNを契約してインストールとログインまで済ませておく、という準備は旅行者とまったく変わりません。
ちがうのは、長く住むほど毎日のように使うことになるところ。
実際に処罰の事例が出ているのも、中国本土に住んで日常的に使っていた個人でした。
それに会社によっては、業務端末でのVPN利用について社内ルールを決めているところもあります。
自分の判断だけで動かずに済みますので、そのほうが気が楽ですよ!
VPN以外の方法(国際ローミング等)でもGeminiは使える?
使えます!
日本のキャリアの国際ローミングは、日本の通信網を経由してネットにつなぐ仕組みだからですね!
中国国内のネットワークを通らないことになりますので、グレートファイアウォールの影響を受けずに日本と同じ環境をそのまま再現できます!
こちらも香港経由でつなぐ形ですね。
ただ、どちらもデータ量と料金がネックなんです…
Geminiに長文を読ませたり、画像を作らせたりすると、あっという間にデータを使います。
短い出張で「連絡が取れれば十分」ならローミングだけでも足りますが、滞在中ずっと普段どおり使いたいならVPNのほうが現実的かなと思います!
いちばん安心なのは、VPNを主役にしてローミングを予備に回す形。



両方用意しておけば、どちらかが不調な日でも調べものが止まりませんよ
どのVPNを選べばいい?
中国に行くなら、NordVPNがおすすめです!
決め手は、やはり難読化サーバーがあること!
中国のようにDPIでVPN通信を見分けにくる国では、この機能があるかどうかで結果が変わってきます。
- 検閲対策の難読化サーバーがある
- 同時接続は10台まで
- 30日間の返金保証がある
- 公式サイト・アプリが日本語
スマホとパソコンを持っていく場合も1契約で足りますし、短期の旅行なら帰国後に返金を申し込むという使い方もできます!
料金プランは3つあって契約期間も選べますが、価格はキャンペーンで変わりますので、申し込む前にNordVPN料金で最新の金額を確かめてみてください。



もう迷わなくて大丈夫ですので、出発前にサッと契約して、あとは荷造りに集中しましょう!
NordVPNの返金保証はどうやって申請すればいい?
NordVPNの返金保証は、ログインした状態でサイト右下のライブチャットからサポートに連絡すれば申請できます!
契約してから30日以内に申請を終える必要があって、31日目以降は理由を問わず対象外になってしまいます。
「自動更新をオフにする」のと「返金を申請する」はべつの手続きです。
自動更新を切っただけではお金は戻ってきませんので、返金してほしいときは必ずライブチャットから申請しましょう!
返金の手続きが終わってから、最大10営業日で支払いに使ったクレジットカードや銀行口座にお金が戻ってきます!
まとめ|VPNの準備を済ませて中国でも安心してGeminiを使おう
最後に、この記事の要点をまとめておきますね!
- 原因は政府の検閲とGoogleの地域制限
- Googleは2010年の中国撤退以降ずっと遮断されている
- 香港は2026年3月に個人向けウェブ版が開放された
- 香港でもAPI・AI Studioは対象外のまま
- 解決策はVPNで日本のサーバーにつなぐこと
- 契約・DL・ログイン・接続テストは日本で
- NordVPNなら難読化サーバーが使える
- つながらない時はOpenVPN(TCP)に変える
- 無許可のVPN利用は処罰の対象になり得る
- 無料VPNは中国では使わない
いちばん大事なのは、準備を日本で終わらせておくことです!



現地に着いてからではアプリのダウンロードすらできませんので、ここだけは出発前にやっておきましょう!
中国でも普段どおりGeminiに聞ける状態にしておけば、翻訳も調べものも移動中の相談もいつものペースで進みますよ!
中国では無許可のVPN利用が処罰の対象になり得る点だけは、頭に入れたうえで判断してくださいね。
中国ではGemini以外にも使えなくなるサービスがたくさんありますので、出発前にあわせてチェックしておくと安心ですね♪









